【消費税ってなんだ?】②消費税は還付されることもある??
こんにちは!東京都杉並区の税理士Julesです。
テレビのニュースでは、持続化給付金の不正受給の話題で持ち切りです。
コロナで多くの事業者が売上を大幅に落とし、給付金は本当に助かった、という声も聞いていた中、この様に不正を働く人がいるというのは何とも残念でなりません。私も納税者の端くれとして、関わった人はきちんと返金して欲しいと思います!!
さて、今日のブログは「消費税ってなんだ?」の2回目です。前回のブログでは、消費税の納税をする人はだれか、という事をお話しました。インボイス制度の話の中で、消費税の納税が大変!という話が多く聞かれますが、実は還付が受けられるという話はあまり聞こえて来ません。正しく消費税制度を理解するために、今日は消費税の還付についてシンプルに説明します。
消費税の計算方法を確認してみよう。
消費税が高い!って聞くけれど、どういう風に計算をするの?
消費税は「預かった」消費税から「払った」消費税を引いて計算します。
ハテナさんはカフェの経営者なので、カフェを例に取って考えてみましょう。
ハテナさんの一年間の売上と仕入がこんな感じだった場合に、消費税はいくら納税することになるでしょうか。
ハテナさんのカフェの経営成績(1年間)
- 売上 1,100,000円(うち消費税 100,000円)
- 仕入 540,000円(うち消費税 40,000円)
※ハテナさんは課税事業者、本則課税とします。
ハテナさんのカフェでは、お客様から売上代金と一緒に消費税を預かっています。一年間で1,000,000円の売り上げに対し、100,000円の消費税を預かりました。
一方、食材を仕入れるときには、仕入代金と一緒に消費税を食品卸業者に支払っています。一年間で500,000円の仕入に対し、40,000円の消費税を払いました。
この場合、ハテナさんの消費税納税額は以下の通りとなります。
ハテナさんの消費税納税額
預かった消費税100,000円 - 支払った消費税40,000円 = 納税額60,000円
ハテナさんはお客様から預かった消費税と、自分が既に支払った消費税があります。なので、その差額の60,000円を納税することとなります。
消費税は還付される場合もある。
消費税の計算方法はわかったよ。それで、消費税が還付されるってどういう事?
預かった消費税と支払った消費税の差額が納税額になります。という事は、支払った消費税が多ければ、多い分は還付されます。
ハテナさんのカフェが、もし設備を新しく買った場合を考えてみましょう。
ハテナさんのカフェの経営成績と設備投資(1年間)
- 売上 1,100,000円(うち消費税 100,000円)
- 仕入 540,000円(うち消費税 40,000円)
- コーヒーロースター購入 880,000円(うち消費税 80,000円)
※ハテナさんは課税事業者、本則課税とします。
売上と仕入は、👆の例と同じですが、この年はコーヒー豆の販売に力を入れるためにコーヒーロースターを新しく購入したとします。
この年は、コーヒーロースターの代金と一緒に消費税を機械納入業者に支払いました。
この場合のハテナさんの消費税納税(還付)額の計算は以下の通りとなります。
ハテナさんの消費税納税(還付)額
預かった消費税100,000円 - 支払った消費税(40,000円 + 80,000円) = -20,000円(還付額)
ハテナさんのこの年は、お客様から預かった消費税よりも、仕入や機械の購入で支払った消費税の方が多い状況でした。なので、多く支払った20,000円は国から還付を受けることができます。
消費税の還付を受けられる条件を確認しよう。
なるほど!機械を買ったり、内装をしたり、開業初期は設備投資が大きいから還付を考えないともったいないのか。
設備投資の大きさと、消費税申告のための事務負担を考えて検討が必要です。
ビジネスを始める時は、機械や設備を新しく買ったり、事務所や店舗を借りたり、内装をしたり・・・と何かと設備投資にお金がかかります。その一方で、顧客が少なく、売上が思ったように見込めないので、預かる消費税より支払う消費税の方が多い場合もあるのではないでしょうか。
その様な場合は消費税の還付が受けられます。設備投資の大きさによっては、かなりの金額が還付されることになります!!
ただし、消費税の還付を受けるためにはさまざまな条件があります。条件をクリアするためのコストと還付される金額を比べて行く必要があるので注意が必要です。
<消費税の還付を受けるための条件>
- 消費税の課税事業者であること。
→免税事業者は消費税の還付を受けることができません。2年前の売上が少額であったり、開業1-2年度で資本金が少額である場合などは、課税事業者の選択をする必要があります。
※免税事業者のメリットを放棄する・・・とも言えます💦そして、課税事業者を選択した場合は、原則2年間は納税義務の免除を受けることはできなくなります。 - 消費税の簡易課税を適用しないこと。
→簡易課税は消費税計算を簡単にする一方で、必ず納税になります。 - 取引について、相手先、金額、日付などの決められた事項を記載した帳簿を作成し、請求書、領収書などを保存すること。
→還付を受ける以上、取引についてきちんと帳簿を付け、証拠となる請求書、領収書を保存しなくてはなりません。
このように、還付を受けるためには若干高いハードルがあります。帳簿負担や来年以降の消費税負担を考えて、還付を受けるために高いハードルを乗り越えるメリットがあるかどうか、検討してください。
自分だけでは難しい・・・という場合には、私たち税理士にご相談ください。皆さんの事業にとって、どういう方法が良い選択となるか一緒に考えましょう!!
それでは、次回まで💛
まとめ
- 消費税は「預かった消費税 - 払った消費税」で納税額が計算されます。
- 預かった消費税 < 払った消費税 の場合は消費税が還付されます。
- 消費税の還付を受けるためには条件があります。
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