ハラスメント防止対策、やっていますか?

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こんにちは。杉並区方南町の税理士、澤田祐子です。

8月もあと少しで終わりだというのに、暑い!!毎日溶けてしまいそうな暑さです。こう暑い日が続くと涼しい部屋でドラマ三昧が幸せです💛最近はVIVANTにはまっており、毎日いろいろな人の考察を読んでは、次回の放送を待つ日々です。

さて、昨日は私が所属する、東京税理士会杉並支部の常会と研修会でした。税理士は税理士会に所属しないと仕事ができないので、強制的に支部に所属することになります。中野支部から杉並支部に移動して、初めて常会に参加することができました。何かとお世話になる同じ支部の税理士の皆さんと会う事ができ、ちょっと嬉しかったです。

常会の後は研修会がありました。お題は「税理士のためのハラスメント防止対策研修」として、弁護士の方に事例を交えて話していただきました。中小企業でも対応が必要なこと、注意すべきことが満載の研修でしたので、ブログにまとめていきたいと思います。

ハラスメントとは?

パワーハラスメント、セクシャルハラスメントなど、今ではさまざまな名前でハラスメントが語られています。それでは、具体的にハラスメントの定義を確認しましょう。

パワーハラスメントの定義

  • 職場の上司から部下など、優越的な関係を背景とした言動であること
  • 業務上必要性のない言動や、業務の目的をおおきく逸れた言動であること
  • 労働者の就業環境が害されるもの

    →上記3つの全てを満たすものをパワーハラスメントという。

セクシャルハラスメントの定義

他の者を不快にさせる職場における性的な言動
及び
職員が他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動

厚生労働省では、この様にパワハラ、セクハラを定義しています。ハラスメントが社内で発生することにより、ハラスメントの対象となった人だけでなく、周りにいる他のスタッフの環境も、著しく悪化します。その様な職場では、従業員がすぐにやめてしまったり、従業員の働く意欲が低下したり、職場全体に良い影響を与えません。

まず、ハラスメントの定義を確認し、職場でハラスメントが起きていないか日常的な点検が必要です。なお、ハラスメントはパワハラ、セクハラだけではありません。最近はマタハラ、パタハラ、SOGIハラなど、さまざまなシチュエーションでハラスメントが起きています。

参考:厚生労働省「ハラスメントの定義

職場のハラスメント対策が義務化されています。

2022年4月から、全ての職場でパワーハラスメント防止措置が義務化されました。経営者の皆さん、防止措置を定めていますか?

厚生労働省では、事業主が雇用管理上講ずべき措置として、以下をあげています。

  1. 事業主の方針の明確化及びその周知、啓発
  2. 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
  3. 職場におけるハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応
  4. 併せて講ずべき措置(プライバシー保護、不利益取扱いの禁止等)

上記4要件を定め、運用することが義務となっています。義務を果たさない場合には、厚生労働省が指導し、応じない場合は企業名が公表されることとなります。

ハラスメント防止措置の具体策

なかなか完璧にやるのは難しいかな・・とも思います。なので、まずは1番目「事業主の方針の明確化及びその周知、啓発」から着手してみてはいかがでしょうか?

まずは、就業規則にパワハラ防止規定や懲戒処分規定を盛り込むことを検討してください。きちんと規定があることで、加害者に対して処分を行うことが可能になります。

次に、会社の姿勢として、ハラスメントをしてはならない、ハラスメントをした従業員に対して厳正に対処する、ということを従業員にメッセージとして打ち出してください。社内報やメール、朝礼などの際にきちんと伝えることで、会社が自分を守ってくれる、という従業員の安心感につながります。

アンケートを定期的に実施し、ハラスメントに対して早期に対応できるようにすることも良い取り組みです。

そして、ハラスメント防止研修を行ったり、相談窓口の設置などの検討も行ってください。

ハラスメント防止措置は会社を守る武器にもなる。

ハラスメントは、指導や助言との境界線があいまいであることもあり、事業主や管理職が身に覚えがなくても、従業員からハラスメントを受けた、と言われることも考えられます。また、悪意をもってハラスメントを受けた、と言ってくる従業員が出てくることも考えられます。

その様な悪意に付け込まれないためにも、ハラスメントに対してしっかりと取り組んでいる職場であることをきちんと定め、従業員や取引先にアピールすることは、抑止力になりうるでしょう。また、もし訴訟にまで発展した場合に、対策を行っているかどうかは、訴訟の行方を左右するファクターとなる可能性もあります。

ハラスメント対策は、会社を守る武器になります。中小企業だからこそ、できるところからやっておくべき、と考えます。

専門家を利用しよう。

この様に私たち税理士が研修で学んでいる・・ということは、税理士はハラスメント対策の専門家ではありません。

就業規則を見直したり、ハラスメント対策を具体的に考える際には、専門家を交えて行う必要があります。ハラスメント防止措置を考えるためには、社会保険労務士や弁護士などに相談し、会社に最適な対策を考えて行ってください。

顧問税理士がいる場合には、信頼できる社会保険労務士や弁護士を紹介してもらう事もいいのではないでしょうか。

ハラスメントについてきちんと学び、ハラスメントの起きない気持ちいい職場環境を目指したいものですね。

それでは、次回まで💛

参考:厚生労働省「あかるい職場応援団

まとめ

  • ハラスメント対策は、ハラスメントを理解することから始めましょう。
  • 指導、助言は必要ですが、いきすぎないように注意しましょう。
  • ハラスメントの問題は労働者の尊厳、人権の問題です。しっかりと対策し、みんなが尊重される職場環境を目指しましょう。

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