税理士試験と大学院について考えてみる。

woman about to write on paper

それでは、また次回まで💛

9月に入り、Julesの息子@高3は受験モード突入です。総合選抜での受験をするので、早速出願が始まりました。
息子と一緒にオープンキャンパスに行ってみると、今の大学はカリキュラムが魅力的💛私が入学したいと真剣に思うような学校が多いですね。とはいえ、がんばるのは本人です。第一志望に合格できるよう、親は応援するのみです💦

さて、そんな大学選びの時期でもあるので、税理士試験と大学院について、税理士になって4年が経った今考えていることを書いてみようと思います。

働きながら、子育てしながらの税理士試験

私が税理士試験の受験をスタートしたのは、息子を出産し、育児休業中でした。子供と家族だけの世界で過ごす中で、猛烈な危機感に襲われたのを覚えています。
軽い気持ちで始めた税理士試験が、まさかそこから12年もかかる長い長い旅の始まりだったとは、その時は知る由もありませんでした💦

もちろん、一科目ずつ目指せる税理士試験🎵という受験校の宣伝文句を信じたのもありますが、始めてみたらその過酷さに面食らうことになります。最初の3科目(簿記論、財務諸表論、法人税)は一発合格ができたのですが、残り2科目が長かった・・・。

乳児をかかえ、フルタイムで零細事務所に勤務しながらの受験は、夫の協力がないと成し得なかったと思います。私の合格は、私自身ががんばった以上に、夫ががんばってくれました。子供が小さい時は、私よりも育児をしてくれていたんじゃないかな、と思っています。

さて、税理士試験は「試験」である以上、正解があり、出題傾向があります。そして、予備校が手間暇かけて分析し、合格のためのプログラムを作り上げてくれています。なので、単純に言ってしまうと、受験生はそれにきちんと乗って、最大限効率的に勉強をすれば受かります。

勿論、丸暗記は意味があるのか、とか、傾斜配点がおかしいのではないか、とか、受験生時代は私も思っていました。しかし終わってみれば、取るべき所をきちんと取れたから合格したのかな、という実感はあります。

そういう意味で、税理士試験は子育てや仕事をしながらでも、大手受験校を上手に使えば合格を手にすることができる試験だと思います。

大学院ってどうなんだろう。

3科目合格後、相続税が4回不合格だったあたりで、大学院に行ってみようか・・・と思わなかったかと言うと嘘になります。

そこで、検討してみたところ、未就学児と小学生をかかえ、フルタイム勤務をしている中で、夜と週末に学校に通ったり、オンライン授業を見たりする時間は、物理的に取れない、という結論にいたりました😢
さらに、教育費がかかる子供をかかえて、そこに自分の学費300万円を出せるか・・・というとそれも難しかったので、結果としてその選択肢は諦めました。

何より、育児中の私にとって「じっくり考える」という事はとてもハードルが高い作業だったと思います。

受験校の問題を解いたり、理論マスターを暗記したりすることは、ある意味機械的な作業に近いですが、大学院で論文を書くには、自分でそのテーマについてじっくりと考える時間が必要です。

全国女性税理士連盟の研究部員として、研究報告書のために論文を書いた経験の中で、論文を書くためには、多くの文献を読み、自分なりに考察をする、という作業が必要になります。そして、どれほどの集中力を要するか、実感しています。育児しながらその作業ができたかというと、多分無理だったと思います。

本を読むのも、小説を読むのとは違い、自分の書くべきテーマについてどうリンクするのか、自分の立論を補強するものなのか、それとも反対するものなのか、など、考えながら読み進めなくてはいけないので、時間も頭も無限に消費します。

育児の細切れの時間では、難しい作業ですね・・・。なので、私は必然的に5科目合格をめざすしかなかった・・・のですね。

税理士は5科目合格か、大学院か、ではない。

税理士試験が機械的作業・・・と言う風に書いてきましたが、勿論その勉強は私のにとって大きな財産になっています。機械的な作業として勉強しつつも、正しい理解がなければ受からないのも税理士試験です。

理論問題を解答するためには、条文をそのまま書き出すだけでなく、問われている内容にフィットするように書き出す事が要求されます。そういう意味で、実務に直結した試験でもあると思っています。また、税法を最低3科目を受験することで、実務に必要な税の全体像をくまなく眺めることができるようになります。(もちろん、合格しなかったけれどじっくり向き合った相続税も含めて💦)

一方で、大学院で論文を書くには、税法について深く研究し、理解することが必要なのではないかと思っています。税について深く考えて、それを文章にまとめる力は、税務調査をはじめ、多くの場面で必要とされます。そういう意味で、私も大学院で文章を書く力を鍛えることができたらよかったかも・・・と思います。

どちらも、学んで来た方法は違えど、国家資格として必要な力があるからこそ、資格を手にできたはず。でも、税理士としてはそれだけでは十分ではありません。
税理士試験を受けて来た私は、「租税法」という税をまるっと見るための考え方に触れることができませんでした。なので、今一生懸命勉強しています。大学院に行った税理士の方は、もしかしたら研究範囲以外の税法については、改めて勉強が必要なのかも知れません。

税理士は一生学び続けなければいけない資格です。実務に当たるほどに、自分の足らない所が見えてきます。

今税理士試験の真っただ中で、大学院を受けようか、試験を続けようか、と迷っている人も多いと思います。どちらの選択も、結果として税理士になれれば正しい選択です。自分の状況をしっかり見て、自分に一番フィットした方法を選んでくださいね。

それでは、また次回まで💛

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