登壇者として研究報告に参加しました!

それでは、また次回まで💛

ここ数日少し暑さが和らぎ、体がほっとしている感じがします。猛暑はやっぱりキツイです💦
気温30度位でも涼しいと感じるのは、なんか違うなぁ・・・と思う今日この頃です。

さて、昨日は私が所属する「全国女性税理士連盟」の全国総会がありました。そこで、研究報告の登壇者と参加してきました!!

今年のテーマは「非上場株式の評価」

私は、税理士登録をした年から全国女性税理士連盟の研究部に参加しています。
研究部では、2年に一回、全国総会に合わせて研究報告書の作成と研究発表を行っております。今年はコロナで1年間延期となったため、3年ぶりの研究報告になりました。

今年の研究報告のテーマは「非上場株式の評価」です。
実務では、毎月の様に手掛けるものではありませんが、折に触れ必要となる非上場株式の評価・・・。難しい論点が多く、また、財産評価基本通達の位置づけや、総則6項と言われる「伝家の宝刀」についてなど、避けては通れないものの、正直とっつきにくいテーマです。

そこに敢えてがっつりと組み合った研究報告書になりました。
私自身は研究部員としては二回目の報告書への参加で、まったくのペーペーの身なので、ひたすら学ぶのみです。理論をきちんと理解した上で、判例を読込み、かつ、読み手にわかりやすく伝えることの難しさを実感する日々でした💦

研究発表はいかにわかりやすく伝えられるか!!

研究発表は、全国女性税理士連盟の全国総会の前に行われます。
研究報告書の中から、伝えたい項目をピックアップし、いかにわかりやすく、かつ飽きずに聞ける内容に仕上げられるかが勝負です。

通常の講義やセミナーと違い、あくまでも「研究報告」です。知識をお伝えするだけではなく、研究した結果や私たち研究部員の考察なども踏まえながら、報告を作り上げていきます。

今回は、非上場株式の評価の入り口である時価の概念と株主区分の考え方について、二つの裁判例を元に模擬裁判形式で行った第一部、二人の税理士の対話で総則6項や自己株式の評価など、比較的ホットなトピックを扱った第二部の二部構成での発表でした。

論文をまとめる以上に、聞き手にわかりやすく伝える、というのは、自分がその事項をしっかり理解していないとできないものです。研究発表を通じて、裁判例やいろいろな節税スキームの問題など、かなり理解が深まったと思います。

税法の時代錯誤感

租税裁判の判例を読むと、納税者の主張になるほどな、と思わされることがあります。

今回私たちが取り上げた裁判で、日本除虫菊株式会社(現キンチョー)の株式について、特例的評価になるかならないかのボーダーラインである5%基準と、親族の範囲について争われた裁判がありました。(最高裁平成11年2月23日棄却・確定)

原告は、会社の経営に関与しておらず、なおかつ筆頭株主の5親等血族というかなり遠縁の人であり、そのような人であっても、財産評価基本通達に従って評価をすると、原則的評価をしなくてはならない・・・。特例的評価とは30倍以上の価額差となってしまうことを考えると、この規定のままで公平なのか・・と思ってしまいます。

税法では、親族の範囲を民法で規定する6親等内血族(いとこの孫にあたります。)をそのまま適用しているため、5親等血族の原告は筆頭株主の同族関係者とされたのですが、現代の感覚では・・・ソレダレ??という位の遠縁までが同族関係者になってしまうのが現状です。

研究報告後の講評で、藤曲武美先生がおっしゃった、「税制は作った時は正しいが、時代の変化と共に歪みが生じる。」というのがとても腑に落ちます。

租税判例の中では、明らかに「それはダメやろ~!!」」と思うものも多くありますが、納税者の主張する「感覚」になるほどな、と思ってしまうものも多くあります。裁判で納税者が勝訴することは難しいのですが、税理士としては、そこに寄り添いたいな、と思っています。

研究発表の途中で、原告と被告のどちらの意見に賛同できるか聞いたところ、この事件については納税者である原告の意見に賛同する人が多かったのは、そういう納税者に気持ちを寄せられる税理士が沢山いたってことかも知れません。女税連、やさしい税理士が揃っています!!研究部の末席から、ほっこりした気持ちになりました。

それでは、また次回まで💛

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