【確定申告ってなんだ?】②税金を減らすってどういうこと?
それでは、また次回まで💛
税理士は、1月の末から3月までの間に、税理士会の仕事として確定申告の無料相談に従事することになっています。
私も数日、支部の皆さんや東京税理士会の皆さんと一緒に相談員をする予定です。電話や相談会場で、このブログを読んでくださっている方とお会いしているかもしれませんね!確定申告書を作るのは難しいかも知れませんが、無料相談をうまく利用してがんばってください!
さて、今日のブログは「確定申告ってなんだ?」の2回目です。皆さんがとても興味がある、税金を減らすことについてまとめます。
税金を減らす方法ってあるの?
確定申告をして、税金を計算すると、思ったより税金が高いって感じるよね。税金を減らす方法ってあるの?
税金を減らす方法はもちろんあります。税金を減らすには、収入を減らすか、収入から引くものを増やすか。あとは、所得控除を増やすか、の3つです。
税金を計算すると、高いなぁ、って感じることがあると思います。税金の計算方法は、ざっくりと言うと以下の通りです。
税金の計算方法
(収入金額 - 経費金額) - 所得控除 = 税金がかかる所得
税金がかかる所得 × 税率 = その年の所得税額
その年の所得税額は、「税金がかかる所得」(課税所得・・といいます。)に税率をかけて計算します。
ということは、「税金がかかる所得」が大きければ大きいほど、税金は高くなります。逆に言うと、これを小さくすることで税金を減らすことができます。
それでは、「税金がかかる所得」を小さくするにはどうしたらいいか、ということを考えてみましょう。
1 収入金額を減らす。
収入金額が少なければ、税金がかかる所得は小さくなるよね。でも、それって商売的にはやばいんじゃない?
商売をする以上、収入は増やさないといけないですよね。ハテナさんの言う通り、やばいですね。
「税金がかかる所得」を小さくしたいがために、収入金額を減らしてしまうことは、ハテナさんの言う通り商売上の観点からいくと、まずい状況になってしまいます。それは本末転倒です。
では、税金が高いからといって、本来の売上金額より少ない金額を確定申告書に書いてしまったら・・・脱税です!それは絶対にやってはいけません。確定申告書には、その年の正しい売上金額を集計し、収入の欄に記入する必要があります。
ただし、その年の売上に入れるべきでない金額が含まれていないか、確認は必要です。例えば、前受金のように、サービス提供や品物を引き渡す前に受け取った金額は、引き渡した時に売上を計上することになります。引き渡しが翌年であれば、翌年の売上になるので、今年の収入金額からは除く必要があります。
正しく収入金額を計算することで、「税金がかかる所得」が過大にならないようにすることができます。
2 経費金額を増やす。
じゃ、経費をじゃんじゃん使えば、税金がかかる所得が小さくなるよね。お客さんと沢山飲みに行こうかな。
無駄遣いにならないなら、それもいいかも知れませんが、やりすぎると経営を圧迫しますよ。
ハテナさんが言うように経費をじゃんじゃん使うことで「税金がかかる所得」が小さくなります。でも、ちょっと待ってください。その経費、商売をする上で本当に必要な経費ですか?
事業所得を計算する時に計上する経費は、その商売に必要な経費に限られます。
仮に税務調査があった場合に、調査官から「その経費はあなたの商売にどういう関係がありますか?売上げを上げるために必要な経費ですか?」と尋ねられた時に、理由を言えるでしょうか?
もし、理由を言えない経費であるならば、その経費は商売上の経費とは言えないため、所得計算の時に計上することはできません。
また、もし商売上の経費であったとしても、経費をじゃんじゃん使うことで、事業のためのお金が減っていってしまいます。必要なお金が無くなってしまうほど経費を使うことは、商売上健全とは言えませんね。
そして、使ってもいない経費を計上することは・・・脱税です!絶対にやってはいけません。
つまり、「税金がかかる所得」を小さくするために経費を計上したいと考えるなら、商売に必要な範囲で経費を計上する!これをお忘れなく。
3 所得控除を増やす。
なかなか厳しいんだね💦最後の「所得控除」って聞きなれないけれど、どういうこと?
所得控除は、所得税を計算するうえで税金をかけるべきでない部分を、所得金額から引くための決まりです。
ハテナさんのように商売をしている場合、売上から経費を引いた金額がその商売から生まれた所得となります。日本の税法では、その所得にそのまま税金を課税するわけではありません。
商売から生まれた所得を使ってハテナさんは生活をする訳です。人によっては、家族を養っていたり、生命保険を払っていたり、状況はさまざまです。その人の状況に応じて、所得の中から最低限の部分について税金がかけられるように、日本の税法は設計されています。
現在適用できる所得控除は、次の通りです。
所得控除
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 寡婦・ひとり親控除
- 勤労学生控除
- 障害者控除
- 配偶者控除、配偶者特別控除
- 扶養控除
- 基礎控除
- 雑損控除
- 医療費控除
- 寄付金控除
この様にいろいろな種類の所得控除が準備されています。自分の状況に応じて適用できる控除があれば、積極的に適用しましょう。条件に当てはまる限り、これらの控除を適用することは問題ありません。
確定申告書を作成する際に、所得控除の適用もれがないかどうか、必ず確認しましょう。
過度に税金を減らすために経費を水増ししたり、収入を減らしたりすることは違法行為になってしまいますから絶対にやめましょう!でも、必要な経費や所得控除を取り漏れることは、もったいないです!
自分に合った控除がきちんと確定申告書に書かれているか、必ず確認することが税金を少なくする一番最適な方法です!
また、商売をしているのなら、税金を払ってでも売上げを増やして利益を増やしたいですね!
それでは、また次回💛
※今回のブログでは、わかりやすくするために、税額控除や譲渡所得の特別控除などの説明は省きました。
まとめ
- 過度に税金を減らそうとして収入を減らしたり、経費を増やすことは、経営を圧迫するので絶対にやめましょう。
- 必要な所得控除を漏らさず適用することが、所得税を少なくする最適な方法!
- 脱税は絶対にダメです!違法行為に手を染めないようにしましょう。
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